2012年10月10日水曜日

インドと言えば? カレー、ガンジー、クリケット!

日本、そして、アジアのみなさん、こんにちは!

欧米のみなさん、おはよう!


インドの生活にもすっかり慣れ、見た目までインド人になってしまったムーです。(笑)

インドでの生活、研究の事、あれこれ書いていきます。 よろしく!


CEPT(Center for environmental planning and technology)大学での生活


大学の中で学生に人気のスポットと言えば、カフェ、売店など思いつくけど、ここインドでは意外な場所が大人気。何だかわかるだろうか?
正解は、印刷屋さん。
各研究室に印刷機がある日本の状況とは大きく違って、コピーや印刷、写真の現像などの多くがそこで行われている為、1日中多くの人であふれている。
印刷代は、白黒で1枚1.5円、カラーで15円である。
安いの~。



大学のカフェの昼食は、毎日似たようなメニューだが、おかずとかカレーの種類が少しずつ変わっていて意外に飽きない。
1食で60円という驚きの安さだ!
そして、チャパテイ(ナンみたいな食べ物)がとてもおいしい。
また、カフェの従業員の方々と仲良くなり、みんな笑顔で話しかけてくれるようになった。



しかし、カフェと言っても、実は日本人が想像する物とは大きく違う。
厨房のある建物とその周辺のエリアがカフェであり、特別に椅子や机がある訳でもなけれは、思いっきり外である。
植込みの周りなどに座って食事を頂くのがここのスタイル。


                  カフェの様子






ある日、カフェが夕食が提供されているという情報をキャッチし、挑戦してみた。
この日初めて、デイナーというメニューがある事を知った。
今まで我慢して辛い物を食べていたのに!
前日までとは打って変わって、手書きのメニューボードの文字が丁寧かつ極力英語で書かれていた。
ちょっとした気遣いだがとてもありがたかった。




先生とミーテイングの約束をした時の話。
午前中来るように言われたので、何時からか聞いてみると、12時って言われた。
これがインド人の時間感覚!?
ミーテイングの結果、調査の日程に変更が生じた。
研究というのはこのように予定通りにはいかないものである事を実感した。


町を歩いていると、高級ブランドを扱っている店をたくさん見つけた。
平均年収が30万円に満たないこの国でもそのような物を買う裕福な人もいる。
日本よりずっと分かりやすい。貧富の差が大きいのだと実感した。
私のような怪しい外国人を見るなり、警備員さんや警察官が現地語で話しかけてくる。
意味が分からないのでとりあえず大きな声で笑ってみる。
すると、思わずむこうが吹き出す。
そしてすぐに仲良くなる。
こうやって知り合いを増やす事で、アウェイであったこの国がホームになる。
こうなると、なにかとやりやすい。
また、笑顔も重要だ。
こちらがニコッと笑うとあちらもニコッとする。
笑顔は世界の共通語だ。


ある休日、朝から町を歩いていると、まだ小学生くらいの子供に声をかけられた。
話を聞こうとするが、現地語であるため、理解できない。
しかし、ジェスチャーから、金をくれと言っているのが分かったので、笑ってごまかし、その場を立ち去った。
ここでお金をあげるのは簡単だが、それは彼らの為にはならないと判断したからだ。
途上国は危ない、危険がいっぱいと言って行きたがらない人がいる。
しかし、一般的に安全と言われる日本でも、実はいつも危険と隣り合わせである。
思い切って冒険してみるといい。
これは若者の特権だと僕は思う。
ただ、狂犬病だけは別物。通学途中に野犬に遭遇する度に思わず後ずさりしてしま
う自分に気づく。
ある意味、ぼったくりより、犯罪より怖い、狂犬病。


研究、フィールドワークについて


僕の調査地は、カッチという所。ものすごい乾燥地だ。
大学のあるアーメダバードからブージへは、夜行バスで移動する。
翌、午前6時半、ブージ着。
寝不足の朝。
昨夜のバスは、すごかった。座席ではなくフラットタイプだったが、想像以上に狭かった。
寝ようとしても揺れが激しく、思わず笑ってしまう程だった。
しかも、クラクションの音がメロデイーになっていた。
あれなら鳴らされてもイラッとしないかもしれないとも思った。
しかし、現地人は余裕で寝ていた。
コツを教わらなくては。
これがインドで最も手軽な移動手段なのだから・・・。

この日は、砂漠研究所なる所に行き、ミーテイング、昼食を済ませ、午後から今回のインターンでお世話になる現地NGOのサージバンの事務所に行った。
スタッフの方とミーテイングし、書類がないと調査地に入れないという事が分かったので、すぐに書類をそろえた。
パキスタンとの国境が近い事もあって、許可がないと入れない地域が多いらしい。


オフィスから研究所に帰る時、バスに一緒に乗っていたお客さんはみな親切で、「ここで降りるんだよ」ってジェスチャーで教えてくれた。おかげで迷わずに帰れた。感謝感謝。



次の日、研究所を出て、NGOのオフィスがある地域に引っ越す事になった。
ルームメイトがとてもいい人だったので、ちょっと残念だ。
まあ、また新たな地で新たな出会いがあると期待している。
オフィスに向かう時、バスを待っていたのだが、なかなか来ない。
仕方なく、オートリキシャでいく事になった。
ぼったくられると思ったのだが、非常にいい運転手さんで、現地人料金で乗せてくれた。外国人料金の1/10だ。インドのドライバーはほとんどが一般的な交通ルールを守らない。逆走とか信号無視とかは当たり前だ。
しかし、電話を受けた時だけは違う。
車を道路の端っこに停めて対応するのだ。
不思議な国である。

発展途上国と言われる国に行く度に思うのだが、現地人は、みな例外なく優しい。
そして、笑顔が素敵だ。
日本人みたいに神経質でなく、他人に興味があるのだ。
こういうところを日本が見習わなくてはならないと思う。

宿を決める時、最も重要なチェックポイントはトイレだ。
どこを選んでも、部屋に大きな違いはないが、トイレだけは別だ。
水が流れない等様々なケースがある。
あまりに汚いとそのことを考えただけで憂鬱になる。
旅先で、現地人に日本のイメージを聞くと、「スーパークリーン」と答える人が多い。
その意味がよく分かった気がする。




ちょっとしたお祭りを目撃した。
楽器を演奏したり歌を歌う男達と踊り子の女達が街中を練り歩いていた。
かなりうるさかったので、文献調査を中断せざるをえなかったが、一つ伝統文化に触れる事ができた事をうれしく思う。




インドの食事時間は、日本とは大きく違っている。
朝食を1030分頃食べ、昼食は、1330分頃、夕食は、20時頃と続く。
こちらでは、皆が集まって円になって食事をするのが基本スタイルらしいが、正直、お昼、1330分まで待つのは厳しい。
おかげで僕はいつも腹ペコだ。(笑)
普段の食事開始時間は1130分から12時頃だからだ。
あと、食後の飲み物として、バターミルクが出される。
水、ヨーグルト、塩を使って作る飲み物だ。個人的には、好きではない味だ。


ブージ5日目、毎日、晴れが続いた。
しかし、日に日にいい雲が出るようになってきた気がする。
だが、雨雲にまで発達するほどの水蒸気はないようだ。
このオフィスから、少し背の高い山が見えるのだが、雲がかかったところをまだ見たことがない。
湿度が低い証拠だ。

調査地について知る事はとても大切だ。
住民の生活、生業、文化、歴史的・背景などが少しずつ分かってきた。
一見、研究とは直接関係ないようにも思われるが、実は、なくてはならない大切な情報である。



僕の大好きなチャイ。
インドの有名なお茶である。
甘い紅茶のようなものだが、独特の味がある。
毎日、午前11時と午後3時の2回、出される。
実は、これが楽しみで、僕はオフィスで作業をしているのかもしれない。(笑)




フィールドワークの日の朝。車での北上、長距離移動となった。



やはり現地調査はすごい。厳しい生活環境の中でも強く生きる現地の人々と壮大な大地からパワーをもらい、興奮して必要以上にあちこち見て回り、かなり疲れた。牛、バッファロー等が広い草原のいたるところにいて、思い思いに過ごしている。美しい光景だった。


しかし、困った事にフィールドワークに出ると思わず写真を撮り過ぎてしまう。
整理が大変だ。(笑)


フィールドワークを通じて考えさせられたことがある。
気象学とは、一般的に雨が降る事についてその原因やメカニズムを研究する事が多い。
しかし、干ばつも立派な気象現象であり、この地域で必要とされているのは、まさに、雨が降らない事についての気象学である。
今まではずっと、大雨が原因で起こる気象災害(洪水、土砂災害)についての研究が重要で、それについて研究したいと考えていた。
干ばつの事なんて考えた事もなかったし、重要だとも思っていなかった。
しかし、世界中で多くの人が干ばつにより命や財産を失う事を改めて知り、この研究の大切さを再認識する事となった。
一般的にとかじゃなくて、本当にそこに住む人たちにとって必要なものは何かを正しく理解し、行動する事が大切だと実感した。

また、元々この地域に生息する植物(在来種)は、風が吹くと独特な音がする事が分かった。この音と関連付けて天気予測が出来ないか考えてみようと思っている。




NGOについて少しお話したいと思う。

NGOとは非政府組織といって、国の政府からは完全に独立していろんな活動を行う団体である。

僕がサージバンでお世話になるまでのNGOに対する評価は、あまり高くなかった。

単にボランテイ精神のある人々がグループになって何か社会の為に活動するといった組織だと思っていた。

しかし、ここに来て、そのイメージは一新される事となった。

大学院を卒業した高い専門知識を持つ職員が何人もいて、かなり学術的な調査とデータ分析が行われていた。

しかも、巨額のお金を扱っていたのだ。

衝撃だった。

日本のNGOは小規模のものが多い為、全く知らない世界だったが、世界にはもっともっと大きな組織もあり、いろんな分野で大活躍している。


NGOの方々との活動を通して分かった事がある。

それは、研究者の使う言い回しや用語は、現地の人にはとても分かりにくく、しばしば誤解を生むものであるという事だ。

自分がこれからどこで何をしたいのかを分かってもらわなければ、話が先に進まないし、必要なテータを集める事も出来ない。

そしてなにより直接的な現地のNGOの方々の助けがなければ、言葉の問題や研究で村に入る為の許可の問題等で、何もできないのだと実感した。

いかに現地でデータを集めるのが大変かという事である。

データ分析もなかなかうまいこと進まない。

現地の地理的データや気候についての知識が不足している為だ。

気象現象には地域特性があり、全て同じように扱う事ができないので、毎回、調査する地
域に合った分析をしないといけない。

これがかなり大変なのだ。

ということで、サージバンからもらった冊子で現地の近年の状況と合わせて検証を開始。


現地調査で集まったデータを解析し、その1つがどうもダイポールモード現象(詳細はウィキペディア参照)と深い関係がありそうだと分かった。
これが科学的に裏付けられれば、現地の方々がその年の雨期のおおよその降水量を知る事ができ、彼らの生活向上に貢献できるのではないかと期待している。


気づき

現地NGO職員の環境意識の高さについて僕が感じた事。

マングローブの保護とか、生物多様性保護に関する活動をしていたり、リサイクルしましょうって市民に呼びかけている人達が、平気でゴミのポイ捨てをする。

これが現実であると悟った。

自然は大切で保護しなければならない事は分かる。

しかし、プラスチックゴミが自然界に及ぼす影響は分からないのだ。

確かに、昔ながらの彼らの生活では、多くが土に還るものだった。

だから使い終わったら自然に還せばよかった。

しかし、プラスチック製品であふれた今の生活は違う。

先進国は、製品を売り込むだけ売り込んでおいて、その物の持つ害や負の側面は見せない、伝えない。

これが今世界で起こっている事なのだ。


インターンの為世界中に散っていった友達とネット上で情報交換できる事はとても幸せである。
違った経験、物の見方を持った人たちが集まる大学院では、この情報交換が研究にいい影響を与える事がよくあるからだ。
また、くそ忙しい前期に授業で毎日のように顔を合わせていた友達と急に離れ、一人になる訳だから、やはり寂しい。


終わりに

こちらの生活に慣れ、ふと日本での生活を思い返してみると、私たち先進国の人間はいかに多くのエネルギーを使い、自然に悪影響を与えている事かと反省させられる。

たくさんの物があふれ、電気の無駄使いをし、たくさんの食べ残しが捨てられる。

こんな生活をしていては、地球が2つあっても足りない。

そこで、ちょっと考えてみた。

今の生活レベルを大きく落とす事なく、環境への影響を減らそうとしたら、日本の何年前の生活に戻ればいいのかと。

結論から言えば、1980年代前半がよいと思われる。

この時代は、すでに多くの家電製品が普及していて、飛行機も一般化しでいたので、今の私たちの生活と大きくは変わらない。

当時のエネルギー消費量は、現在のおよそ1/3なので、私たちはちょっと頑張って節電しなければならない。

まあ、家電製品の質が上がっている事を考えると、日々のムダをなくすことで、頑張ればいけそうである。

ここまで電気使用量が減ると、現在最も危険だと言われている原子力発電所は必要なくなるだろう。

資源に関しては、安くてすぐに壊れるもの(ごみになるもの)ではなく、少し高くてもいいもの(丈夫なもの)を長く使う事で、消費を抑えられると思う。

みんなの少しの心がけで自然と調和した明るい未来を作る事ができるのである。

挑戦してみる価値はあると思わないかい?


フィールドワークをするには、言葉の壁などの理由でNGOの方々の協力が必要で、思ったようには進まない。

そこで、研究室のメンバーに彼らのフィールドワークの予定を聞いてみたところ、数日後に実施するという話だったので、一緒に連れて行ってもらう事にした。

研究でもなんでもそうだけど、待っていて手に入るものは少ない。

積極的に行動してこそ得られるものがあるのであ~る。


インドで1ヶ月過ごして、体験したこと、感じた事を書いてみました。
長くなりましたが、最後まで読んでくれてありがとうございました。

いかがでしたか?
え、面白かった?
ありがたきお言葉。m(__)m

以上、インドからムーでした。

またね!

4 件のコメント:

  1. おもしろいな〜!!!インド行ってみたい!
    おれの調査してる農村も、2009年に洪水の被害にあった村で、そのことについて聞いてみると、意外に「あれはしょうがない」とか、「雨が降ればコメが育つし、良いことでもある」的なこと言ってて、むしろ干ばつの方がゾッとする出来事なのかな?と思った。
    狂犬病にかかった犬みたことあるけど、あからさまに狂ってるから、他の犬は大丈夫やと思うで!おれ普通の犬やったら触ってる(^O^)/笑

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  2. ぜひお越しください。
    干ばつの予報って難しいよな。
    何ヵ月も前に分かってないと意味ないものだし・・・。
    いやー、犬は怖い。やっぱり近づき難い。

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  3. フィールド調査の計画が上手く立てられないこと、日本がいかに裕福でそれが当たり前になっていたこと、私もすごく実感してる。あとみんなと会えなくてさみしいこと。笑
    インターン期間中に気づいてもどうにもできないこともたくさんあるけど、こうやって少しずつ積み重ねていくんだな、って思います。

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  4. そうだよね。
    いっぱいいろんなこと経験して、考えさせられて、なんとか自分なりに答えを見つけて、さらに前進していって・・・こうやっていくうちに少しずつ成長していくんだよね。

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