2012年10月14日日曜日

ラムラム!



ラムラム!(現地語マルワーリーでグッドモーニング?)
インドラジャスタン州ジョードプルからこんにちは!






















先日3日間フィールド調査にいってきたところなので
今回はそこで学んだことを中心に…最後にインドの文化について。


インドに来て約1ヶ月…初のフィールド調査

調査地、バルメール地方の村は、私が今お世話になっているNGOのオフィスから車で3時間半ほど西へ行ったところ。
インドとパキスタンにまたがるタール砂漠の地域である。


NGOの人「これがタール砂漠だよ」
わたし「おお~!……………………これ??砂漠?」
砂漠というと思い浮かべるのはまっっさらな砂の土地。
でもここには多くの木や植物が植わっていて、想像していたイメージとは全然違った!
なので言われるまで砂漠だとは気づかなかった。だって草いっぱい生えてるし!
でもそれも夏にはまっさらになるらしい。


地面は砂漠のさらさらな砂





















何を調査するかっていうと、前回少し話したように、
①ソーシャルキャピタル(信頼や集団行動によって作られるとされる資本)を測ること
②水資源の利用状況を理解すること
③グループの存在やその機能、各グループはどのように相互に関係しているのかを理解すること
…という3点。
3日間を通して3つの村を訪問し、各家庭にアンケート調査に協力していただいた。


「机上の空論」
一度もフィールドへ行ったことがない私の作成したアンケートはうまく機能しなかった。
アンケートは現地の社会・経済的状況にあわせたものでないと意味をなさない
現地に行ってみないとわからない、プレテストはした方が絶対良いと聞いていたが、まさにその通りだと感じた。

でも前向きに捉えれば、今回のフィールド調査でこの地域の村の全体像をなんとなく理解できたことは大きい。



バルメールの水資源の管理

古くから水の制約があったこの地域では、雨水はとても大切に保管されてきた。
雨水を貯めるために大小さまざまな穴を掘ったり、つぼに雨水を貯めたり…飲み水を確保するにも、穀物を育てるにも、家畜を育てるにも水は重要である。

かつて水を確保するのは女性の役割だった。
そのため水を求め毎日4~5kmの距離を歩き、思い水つぼを頭にのせ帰ってくることは女性の日課。























村には「Nadi」というため池がある。
大きさにもよるが、雨期の後6~8ヶ月ほど使用できるものもある。
伝統的にNadiはコミュニティ全体で管理をされていた。
水を吸収してしまう雑草を抜いたり、家畜がよらないように管理されたり…もちろんそこでバラナシみたいに沐浴や用を足すなんてことは絶対しない。水質を保つために管理されていた。






















しかし、今村の人々の多くは各家庭に貯水タンクを持っている。
タンクの普及によってもたらされる便益は多い。
・水を家のすぐそばで得ることができる
・女性に時間ができ、仕事を得ることができる
・干ばつ時の水の確保ができ安全性があがる
などなど他にも色々。


貯水タンク。タンクの周りに雨水を貯める溝があり中へ流れていく仕組み。




















家のすぐそばのタンクから水が手に入る!
なくなればトラクターが水を再び入れてくれる!
(けどその水はNadiからきている!)


タンクができたことによって、Nadiへ行く必要はなくなる。
そうなるとNadiを頑張ってきれいに維持しようという心意気は減っていく…
現に先日訪れた村では、Nadiは存在するものの2ヶ月程度しか使えないから管理も何もないと言っていた。
 全ての村が当てはまる訳ではない。けれどNadiの管理に関心が払われなくなっている村もあるという。
そうなるとその村の結束はおとろえていき、集団行動をする機会も減っていく。




村人の生活が向上するんだから、いいじゃん!と思うかもしれない。
でも、その結束力こそが、日常の資源やサービス、雇用へのアクセスだったり、干ばつ時の相互扶助ということにつながってくるんじゃないかなと思う。
これはソーシャルキャピタルの側面。


新しい技術が入って人々の生活は向上する。
そうするとその恩恵に盲目になってしまうこともあるんじゃないかな、と思ったり。
伝統的なものは、持続可能なものが多い。新しい技術と伝統の妥協点を探していくことは大変なことだなと感じる。



つまりはNadiとタンク(その他設備)、ソーシャルキャピタル、そして人々の生活。
今回の調査で、ここらへんの関係を詳しく調べていきたいなと考えたということ。





世界で水が足りていないなんて考えたこともなかった方、
水問題とかでぐぐってみてください。日本も無関係ではないはず。


ハンドポンプもある。地下水をくみ上げる。地下水位の減少も深刻な問題である。





















最後に、最近学んだヒンドゥー文化を一つ

インド人て人に何かをしてもらっても「ありがとう」って言う人ほとんどいないな~と感じていた。
かくゆうわたしはなにかをしてもらうたびにありがとうと言ってしまう典型的な日本人。

この間、誕生日パーティーに行って帰りは友達にバイクで家まで送ってもらった。
私の家はその友達の家と逆方向なのでとても申し訳ないな~と思いつつ、「ごめん、ありがとう」と言った。
すると彼は「NO~~~ヒンドゥー文化ではありがとうとごめんは友達に対しては言わないんだよ」と!

なんでかな~と思って、後日別のインド人に聞いたら「言っちゃいけないって訳じゃないけど、友達に何か良いことをしてあげられる、私たちはそれが幸せだと思っているから友達に対してはありがとうとごめんは言わない」
と言っていた。
ん~~~~~とっても良い話じゃないですか。
感動してしまった!


もちろんありがとうを伝えること、それも大事だけどその心の持ちようを見習おうと思った私です。


1 件のコメント:

  1. いい話だねぇTT
    生活の形が変わると人との繋がり方も変わっちゃうけど、別の形であらわれたりもするのかなって思うこともあります。
    ただ、生活改善の良いとこ悪いとこの片方しか見えてないと後で大変なことが起こるんじゃないかって心配になるよね。

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