2012年12月16日日曜日

日本人とフィジー人はどちらが「強い」のか? - 米vsタロ・ヤム・キャッサバ -



フィジーに来るまで、南国のリゾートだということ意外は正直「フィジー」について全く知りませんでした。

一言で言えば、ラグビーが大好きな陽気な人々が住む'人種のるつぼ'です。'人種のるつぼ'という訳は、先住民族系・インド系・中国系・最近は韓国系などが入り交じっているからです。フィジーの国技は「ラグビー」。つい先週末には、IRBセブンスワールドシリーズという7人制ラグビーの国際大会が開幕し、第一ラウンドのオーストラリアでの大会をフィジーが制しました。このワールドシリーズは、半年かけて世界9カ国を周り、東京でもそのうちの一つが行われます。
フィジーの7人制ラグビーチーム
ラグビーが国技で、村では毎日のように若者達がラグビーを練習しているフィジー。先住民系のフィジー人の体格は、まさにラグビー選手です。つまりデカくてゴツい。

そんなフィジー人によく、「Japanese people are strong, eh?」(フィジーの英語は”~だろ?”みたいな勢いで語尾によく"~eh?"とつけることが多い)と言われます。

イヤイヤどこをどうみてもフィジー人の方が強いだろ!と思う。

よく話を聞くと、それは日本人は稲作をできる強いタフな民族だ、という意味のようです。
ご存知の通り、日本の食文化の中心である米。稲作は春に苗を田んぼに植えてから秋に収穫するというサイクルで行われる農業ですが、フィジーの食文化の中心はタロとヤム。それにキャッサバが加わる。ヤムは季節物ですが、キャッサバとタロは一年中毎日植えることができるです。収穫までには6~8ヶ月かかりますが、基本的には収穫と植え付けを同時に行うことができます。つまり、キャッサバを収穫するために掘り出した跡、キャッサバの木の幹を地面に植える。これで収穫と植え付け完了。なんと簡単なことか。肥料は必要なし、特に手入れも必要なし。ただ毎日コレを繰り返せばいいだけ。フィジー人にとっては米の栽培は手間もかかるししんどいみたいです。そんな手間のかかる米作りを昔から行っている日本人をフィジー人が「タフで強い」と言ったみたいです。
タロイモ畑。どこからどこまでが畑かわからないほど境界ははっきりしていない。むしろ、そんな環境でも育つのがタロイモです。

さてそんなフィジー人に「米を食っても力が出ない」と言われました。パンより米を食べた方が力が出る、というのが日本人の意見だと思うのですが、フィジー人曰く「タロやキャッサバの方が米より力が出る」みたいです。

単なる主食の違いといえばそれまでですが、「主食が何か」というのはかなり重要なことだと思います。それは「主食」というのが人々の生活の中心となっていて、食文化をつくるからです。

地域文化(特に食文化)を理解することは資源管理にとってかなり重要だと思います。

かつて外国からの開発援助によって米づくりがフィジーのある地域で奨励されたそうです。農業機械や米がその地域に持ち込まれ、米作りのための整備も行なわれ、プロジェクト期間3年間はその地域では米作りが行なわれていました。しかし、プロジェクトが終了すると、村人達は米をつくることをやめてしまい、以前のタロイモづくりに戻ってしまったようです。なぜならば、フィジーの農村には米作りの文化がないからです。たしかに、都市部や農村部で米は食べられているけれど、それは文化として根付いてはいない。文化として根付いている主食はあくまでタロイモやキャッサバなので、労力を使って米を作ることはその村人たちにはできなかったみたいです。

地域に根ざした、コミュニティーベースのプロジェクトをするときには、当然地域文化の理解は不可欠なはずなのに、現実はそうでもないのかも?と、開発援助のあり方を考えさせられた話でした。

次回は、フィジーのインターンシップのまとめを書こうと思います!

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